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睡眠ホルモンと睡眠の関係を理解することは、
毎日ぐっすり眠るためにとても大切です。
今回は睡眠ホルモンの一種である『メラトニン』について紹介します。
メラトニンとは?睡眠とメラトニンの関係
メラトニンとは松果体(しょうかたい ※)から分泌される内分泌ホルモンで、
脳の睡眠中枢に作用して睡眠を引き起こす働きをします。
※図の赤丸部分です。
メラトニンが分泌されると脈拍や体温、血圧が低下して、徐々に眠たくなっていきます。
そのため、メラトニンの分泌量が少なかったりすると、
正常に入眠出来ず、不眠症などの睡眠障害を引き起こす事があります。
また、メラトニンは体内時計の調整にも関係しており、
メラトニンが正常に分泌されなければ体内時計の乱れにもつながります。
メラトニンが多く分泌される時間は?
メラトニンは体内時計に従って松果体で作られ、
体内時計のリズムに合わせて分泌されます。
そのためメラトニンは主に夕方から分泌が始まり、
深夜に最も多く分泌された後、朝になると分泌されなくなります。
※昼行性、夜行性にかかわらず、同じように夜間に分泌されます。
これはメラトニンの分泌量が、光に大きく影響される為です。
朝太陽の光を浴びる事で、
メラトニンの分泌が止まる&体内時計がリセットされます。
そして目覚めてから15〜16時間ぐらい経過すると、
体内時計からの指令で再びメラトニンの分泌が始まります。
この時に光をたくさん浴びてしまうとメラトニンの分泌量が減ってしまい、
寝付けない原因となってしまいます。
現代の寝不足の原因の一つとして、
この「夜間に光をたくさん浴びている」事も指摘されていますので、
夜間にあまり光を浴びすぎないように注意が必要です。
年齢によるメラトニンの分泌量の変化
メラトニンの分泌増加が始まるのは、
だいたい生後3~4ヶ月以降となります。
短かった体内時計の周期が、
地球時間(24時間/1日)に合ってくるようになるのと同じ時期ですね(*^^*)
そして3~5歳前後に、人生で最もメラトニンが分泌されます。
その後、年齢を重ねるにつれてメラトニンの分泌量は減って行き、
高齢者になると昼間と同程度のメラトニンしか分泌されなくなります。
高齢者が夜中に何度も目が覚めたり、
朝早く目が覚めるのは、このメラトニンの減少が原因であるという説もあります。
メラトニンの特性を利用した睡眠薬
このメラトニンの特性を利用した睡眠薬を、メラトニン受容体作動薬と言います。
体内時計の機能を担うメラトニンMT1とメラトニンMT2に作用し、
寝付きを良くしたり、体内時計のリズムを整えたりします。
※MT1は入眠作用、MT2は体内時計のリズムに変化を与える。
代表的なメラトニン受容体作動薬としては、ラメルテオンなどがあります。
メラトニンを摂取した際の副作用
メラトニンは副作用が極めて少ないと言われています。
しかし過剰摂取をしたり、不規則に摂取するなど、
使用方法によっては身体に悪影響を及ぼす場合もありますので、注意が必要です。
・多量に飲んだ場合、生殖機能の退化や吐き気などの原因になる。
⇒服用する量をきちんと守り、過剰摂取をしない
・昼間に飲むなど服用時間を間違えると体内時計を乱すことになる。
⇒飲む時間をきちんと管理する
メラトニンを体内に取り入れる方法
メラトニンを体内に取り入れる方法としては、
大きく分けて直接摂取する方法と、間接的に摂取する方法の2つがあります。
①メラトニンを直接摂取する
メラトニンを直接摂取する方法としては、
病院でメラトニン関連の睡眠薬を処方してもらうか、
自分でサプリメントを購入して摂取する方法があります。
日本ではメラトニンは医薬品に分類されるため、
通常の店舗では販売されていませんが、
アメリカ等ではメラトニンが栄養補助食品に分類されているため、
サプリメントとして普通に販売されています。
そのため、日本にいても楽天市場等を経由して購入する事が可能です。
※子供や妊婦、授乳中の方は専門家の意見を聞いてから使用しましょう。
②メラトニンの元となる物質を摂取して、メラトニンを体内で生成する
メラトニンはトリプトファンからセロトニンを経て体内で生成されます。
そのため、トリプトファンを多く含んだ食品を摂取することで、
間接的にメラトニンを体内で生成する事が出来ます。
トリプトファンを多く含んだ食品:バナナ、大豆、牛乳、豆乳など。
トリプトファンとセロトニンについての説明は別途纏めますね。
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