「昔から寝相が悪い」「寝ている間に布団を蹴ってしまっている」「寝相が悪いだけでなく、いつも昼間眠たくなる」そんな症状ありませんか?
単に寝相が悪いだけだと判断している人が多いですが、それって本当に寝相が悪いだけでしょうか?
もしかしたら「周期性四肢運動障害」という病気かもしれませんよ。。
周期性四肢運動障害とは?
周期性四肢運動障害は睡眠障害の一種であり、
眠っている間に片足、あるいは両足が周期的に痙攣(けいれん)する症状のことです。
軽度の場合は少し痙攣する程度ですが、症状が進むと足先が布団を跳ね上げるほどに激しく動くこともあります。
周期性四肢運動障害は睡眠中に起こるため、患者本人に自覚がない場合が多いです。そして、本人はぐっすりと眠ったつもりでも実際は熟睡が妨げられているため、睡眠不足となり、昼間に眠気を催すことになります。
朝起きたら布団が無い=寝相が悪い=周期性四肢運動障害である。とまではなりませんが、日本では1パーセントから4パーセントの方が周期性四肢運動障害を患っているとされています。
寝相が悪いと言われる人は、一度「周期性四肢運動障害」を疑ってみても良いかもしれませんね。
周期性四肢運動障害の原因は?
周期性四肢運動障害のはっきりとした原因は分かっていません。
学説によると脳の神経細胞の内、興奮状態の伝達の働きを持つドーパミンの機能低下によるものではないかと考えられています。
また、睡眠導入薬や抗不安薬、抗うつ薬、抗てんかん薬などの薬の副作用、薬の中断によって神経のバランスが乱れ、周期性四肢運動障害が起きることもあります。
他にも妊婦の方や高齢者の方、貧血の方、鉄欠乏症の方、腎臓や肝臓の病気がある方なども周期性四肢運動障害の症状を引き起こしやすいと言われています。
周期性四肢運動障害になるとどうなるの?
周期性四肢運動障害となっても、寝相が悪くなるだけであればそれほど大きな問題にはならないかもしれません。
しかし、周期性四肢運動障害の方は熟眠感が得られないため、不眠症や過眠症などの他の睡眠障害を併発しやすいとされています。
また、周期性四肢運動障害の症状は無自覚に引き起こされるため、隣で寝ている方が足で蹴られてしまうということも多く、本人に加えて家族も睡眠不足に悩まされるといった例もあります。
周期性四肢運動障害は自分では気づき難いので、セルフチェックを行うとしたら家族や友人などに一晩中様子を観察してもらう必要があります。
また、病院で診断する際にも泊まり込みで精密検査を受ける場合があります。
周期性四肢運動障害の治療・対策
周期性四肢運動障害の対策としては、カフェインの摂取を避けるという方法があります。
カフェインには不随意運動を起こし易くするといった効果があるので、周期性四肢運動障害の症状の悪化を招く可能性があるのです。
対して、ビタミンや鉄分のサプリメントなどは症状の緩和に有効に働くとされています。
周期性四肢運動障害の治療は薬物療法によって行うのが一般的です。
睡眠薬では効果がなく 不随意運動を抑制するレボドパ・バクロフェン・クロナゼパム、パーキンソン病の治療薬、抗てんかん薬などが有効とされています。
なお、薬の服用によって一時的に症状が治まっても、薬の使用をやめると症状が再発したり、症状が悪化したりする可能性があります。
薬の服用に当たっては必ず専門医の指示を仰ぐようにしましょう。