食後に睡眠を取りたくなる、強烈な眠気に襲われる、という経験は誰にでもあることです。
そのまま寝たい衝動に駆られますが、食後すぐに寝るのは体に悪いって知っていますか?
食後に強烈な眠気が発生するのは、脳が睡眠を欲していることに原因があります。
人間が体の機能を維持したり、体を修復させるためには食べ物から栄養素を補給することが必要不可欠です。
食べ物は主に胃で消化され、腸で吸収されますが、胃腸の機能を活性化させるためには血液を集中させなければなりません。
胃腸に血液が集中すると脳の血流が抑制されるため、眠気が発生することになります。
そして、眠気の程度は消化に必要となるエネルギーが大きいほど大きくなります。
食べてすぐに寝るのはどうしてダメなの?
食後にすぐ睡眠を取ることは体に悪影響を与えることになると書きましたが、具体的にどのような影響が出るのでしょうか。
まず、脳の血流が抑制された状態というのは脳細胞に栄養や酸素が届かない状態なので、十分なリラックスを得ることができません。
また、脳への血流が滞ったまま眠ってしまうと脳梗塞や脳卒中のリスクが高くなり、胃酸が出ている状態で横になってしまうと逆流性胃腸炎のリスクが高くなることに繋がります。
食後には胃腸への血流が促されて脳の機能が低下しますが、そのまま眠ってしまうと胃腸もリラックス状態に入ることになります。
胃腸がリラックス状態だと消化や吸収の働きが衰えるため、栄養素を効率的に消化吸収することができません。
睡眠の質が悪くなるばかりか、栄養の不調による肌荒れなど、さまざまな症状の原因になります。
また、食べ物が脂肪として蓄積されてしまうため、肥満にも繋がりやすくなります。
食生活の偏りと食べ過ぎが睡眠の質を下げている?
食後、どれくらい時間を置いて睡眠を取るのがいいかというのは、個人の体質や食事の内容によって変わってきます。
一般的には2時間から3時間が適当とされていますが、胃腸の働きが弱くて胃もたれを起こしやすいという方は消化のための時間を十分に確保してから睡眠を取るように心がけた方がいいでしょう。
また、食べ物には消化しやすい食べ物と消化しにくい食べ物があり、野菜などであれば2時間程度で消化できますが、脂っこい食べ物の消化には8時間程度の時間がかかります。
そして、大量に摂取すれば大量に摂取した分だけ消化にかかる時間は長くなることになります。
良質な睡眠を取るためには、夕食の時間を早くすること、夕食は消化しやすい食べ物を中心に摂ること、夕食は食べすぎないように注意することが大切です。
また、食後のデザートとして適量のヨーグルトを食べるようにすると、消化吸収が促されるため、翌朝の胃もたれなどを予防することができます。