睡眠には体に溜まった疲れを取り除く効果があるので、健康的な体を維持するためには十分な睡眠を確保することが必要です。
寝不足になると頭痛や腰痛、疲労感を感じるなど不調を訴える人が多いのですが、起こり易い不調の一つに肌荒れがあります。
肌荒れとまではいかなくても、寝不足の日にはなんとなく肌が乾いていたり、肌の張りが減っていたりするような感覚を覚えたことがある方は多いのではないでしょうか?
今回はそんな『睡眠と肌荒れ』の関係について纏めました。
寝不足と肌荒れの原因 ~成長ホルモンの働きについて~
人間は傷付いた細胞を成長させたり、細胞を修復させたりする働きがある成長ホルモンというホルモンを体内で生成しています。
成長ホルモンが最も多く生成されるのは睡眠時で、寝る子は育つという格言の通り、十分な睡眠を確保できている子供ほど背が伸びやすく、病気にもかかりにくい傾向にあります。
また、成長ホルモンには細胞の修復の役割もあり、火傷や切り傷を負った時、普段よりも長く深い睡眠を取るように心がけると傷の回復が早くなります。
動物はこれを本能的に理解しているため、病気になったり怪我をしたりした時はとにかく安静にして自己治癒に努めているのです。
さまざまな肌トラブルと成長ホルモン
肌は常に再生と修復、いわゆるターンオーバーを繰り返しており、これによって古くなった角質が剥がれて新しい角質へと生まれ変わります。
しかし、寝不足になると成長ホルモンが十分に分泌されないので、ターンオーバーが正常に行われなくなり、古くなった角質がそのまま残って肌荒れを引き起こすことになります。
古くなった角質からは水分が失われてしまうため、肌の十分な保湿ができなくなり、肌が乾燥してしまいます。
乾燥した肌はバリヤ機能が失われているのでダメージに弱く、さまざまな肌トラブルを引き起こす原因となってしまいます。
また、肌が乾燥すると痒みが出てくるのでついつい肌を引っ掻いてしまい、それによって更に肌にダメージを与えてしまうという悪循環に陥り易くなりますので注意が必要です。
寝不足による肌荒れの影響は乾燥だけではありません。
古くなった角質が厚くなると毛穴の出口を塞いでしい、ニキビの原因になります。また、古くなった角質には紫外線などに反応するメラニン色素が多く含まれているので、シワやタルミの原因にもなってしまうのです。
睡眠不足による肌荒れを解消するために
肌荒れの多くは寝不足によって引き起こされるので、その対策には十分な睡眠を確保することが必要となりますが、1日から3日程度の睡眠では肌荒れが改善しない場合もあります。
それは一般的に、肌のターンオーバーの期間が(28日間+年齢)くらいだとされているためです。
1~3日程度十分な睡眠をとっても、肌荒れを解消するのには不十分なのです。
1周期分のターンオーバーの期間中は普段よりも長く深い睡眠を心がけた方がいいでしょう。