睡眠時ミオクローヌスは眠っている間に筋肉が瞬間的に、あるいは継続的に痙攣する症状の事です。
筋肉の瞬間的なけいれんのことを専門的に「ミオクローヌス」と呼ぶため、睡眠時ミオクローヌス症候群と呼ばれています。
ちなみに、前回記事にした「周期性四肢運動障害」の別名が、この「睡眠時ミオクローヌス」です。呼び方が違うだけでほとんど同じ意味ですので、前回の記事を読まれた方は、今回の記事は飛ばしていただいても問題ありません。
睡眠時ミオクローヌスの症状は?
多くの場合は片足のみに症状が表れますが、両足に症状が表れることもあります。また、睡眠時ミオクローヌスは症状の発生時、落ちていくような感覚、明るい光を浴びたような感覚などをともなうのことがあるのが特徴です。
睡眠時ミオクローヌスは睡眠時に起きる症状なので意識して止めることは不可能であり、自分の足を家具にぶつけて怪我をしてしまったり、隣で寝ている家族を蹴って怪我をさせてしまったりということもあります。
睡眠時ミオクローヌスの原因
睡眠時ミオクローヌスの原因はまだまだ不明な事が多いのですが、症状が発生するメカニズムはある程度解明されています。
睡眠時、脳は休息状態のノンレム睡眠、覚醒状態のレム睡眠を繰り返しているのですが、ノンレム睡眠からレム睡眠に移行する際に脳の働きが不安定になり、脳から筋肉へ誤った指令が発せられることがあります。
これによって脚や腕に痙攣が発生するのが睡眠時ミオクローヌスです。
傾向としては、精神的なストレスを抱えていたり、筋肉に疲労が溜まっていると睡眠時ミオクローヌスが起こり易くなるとされています。また、カフェインやニコチンなどの刺激物は筋肉の不随意運動を誘発するため、過剰摂取は睡眠時ミオクローヌスに繋がります。
その他、薬の服用や中断、鉄欠乏性貧血、腎機能障害なども要因となる場合があります。
睡眠時ミオクローヌスは病気なの?
睡眠時ミオクローヌスは睡眠障害の一種ですが、睡眠の途中にビクリとして目を覚めしてしまうといった経験は誰にでもあるものです。
そのため、睡眠時ミオクローヌスは病気と言うより、生理的反応と言う方が正確かも知れません。
しかし、睡眠時ミオクローヌスの症状が酷くなると上述したような怪我を招くこともあり、また、睡眠の途中で何度も目が覚めてしまうため、不眠症や過眠症を併発することもあります。
日常生活に支障が出るようであれば対策や治療が必要です。
睡眠時ミオクローヌスは子供から高齢者まで年齢を問わず症状が表れますが、高齢者は比較的有症率が高くなります。
睡眠時ミオクローヌスの対策
個人でできる対策としては、睡眠時は浅い眠りの時に起こり易いため、深い眠りを取れるように心がけるというものがあります。
具体的には、睡眠前のストレッチや、寝具の選定、サプリメントの使用などです。また、寝室にハーブやアロマ、リラクゼーションミュージックなどを取り入れるのもいいでしょう。
通院する場合は基本的に、睡眠時ミオクローヌスの治療は薬物療法によって行われる事が多いです。
パーキンソン病の治療薬、抗てんかん薬、不随意運動を抑制する薬などが有効だと言われていますが、個人での薬物療法は危険ですので、必ず専門医の指導の下で使用して下さい。