継続的に続く睡眠不足によって疲労が蓄積されていく、睡眠負債という言葉をしっていますか?
睡眠負債が多いと日常生活にどのように影響するのでしょう。
睡眠負債の状態では体の機能が正常に働かず、昼間に眠気を感じることが多くなる、勉強中や仕事中のイージーミスが多くなる、布団に入るとすぐに眠くなる、アルコールを飲むとすぐに酔いが回るなどの特徴があります。
運転中に眠気に襲われ、車を駄目にしたり、人身事故を引き起こしてしまうというケースも少なくありません。
また免疫系の働きも抑制されるため、風邪、インフルエンザなどといった感染症になりやすくなったり、肥満、糖尿病、心臓病などの健康問題を引き起こしやすくなります。
現代人に多く見られる睡眠負債
最近の研究によると、全世界の人々の平均睡眠時間は必要量よりも1時間少ないとされています。
こうした世界的な睡眠負債が発生しているのは、1日24時間、週7日という生活様式が最大の要因です。
古来、人間は他の動物たちと同じように、朝に日が高くなったら目を覚まし、夜に日が沈んだら眠りに落ちるという生活を続けていました。
しかし、現代社会ではこうした本能的なリズムに捉われることなく利益を上げることが善しとされ、むしろ慢性的な睡眠不足を仕事の上でのステータスシンボルとして考えている個人や企業も存在します。
24時間のサービスを提供しているショップも急速に増加したことに加え、夜中でも遊べるテレビ、ゲーム、パソコンなどの存在により、昼と夜の境界線というものは次第に失われつつあります。
こうして人間が本能よりも利益や好奇心を優先させている結果、睡眠が足りていないという問題に繋がっているのです。
睡眠負債による不調や症状は徐々に進行するので気づき難く、見過ごされやすい傾向にあります。
ただ年を取ったから疲れやすくなったと考える方も多いですが、慢性疲労の原因は睡眠負債にあるかも知れません。
睡眠負債の解決法
睡眠負債というものは無限に蓄積されるものではありません。
例えば、7時間を適正な睡眠時間としている方が月曜日から金曜日にかけて3時間しか寝られなかった場合、単純計算だと合計で20時間の睡眠負債が発生することになります。
しかしこの場合、土日の2日間で34時間の睡眠を取らなければならないかというと、必ずしもそういうわけではありません。
体質によって上限は変化しますが、睡眠時間の蓄積はある程度でストップするので、長期間に渡って睡眠負債が続いていた方でも普段より早く眠る生活を一週間ほど続ければ改善が見られます。
また、睡眠時間の増加量は2時間や3時間だと多過ぎて体内時計が狂う可能性があるので、1時間程度が適切です。